咳とあくびは、他人から伝染するものだと思う。
と言っても、病気のような感じではなく、連鎖するような感じだ。
たとえば電車の中。
誰かが咳をしているのが聞こえると、あちこちから、続けざまに
咳が聞こえてくる。
たとえば会社の中。
誰かがあくびをしているのを見ると、思わず自分もあくびをしてしまう。
そんな感じで、咳とあくびは次々と伝播していくものなのだ。
とはいえ、もちろんみんながみんな、咳をしたりあくびをしたり
するわけではない。
潜在的に、咳やあくびをしたい、という気持ちがあるからこそ、
人がやっているのを見て、自分もしてしまうわけである。
だから、喉の調子が絶好調だったり、微塵も眠気を感じていなかったりすると、
いくら他人が咳をしたりあくびをしたりしていても、
何とも思わず、身体にも何の変化も起きない。
それを差し引いても、咳とあくびの感染力は大したものだと思う。
本能的な部分で、抵抗できないようなかんじがするのだ。
咳をきくと、なんだか喉がむずむずしてくるし、
あくびを見ると、一時的に眠気が襲ってくる。
そんなに大したことではないんだが、あの強制力と言うか、
生理的な欲求というものを、心理学的にきちんと説明してもらいたい、
そんな風に思えるほどである。